ネイル

2003年1月29日
綺麗に伸ばして整えた爪に

丁寧に深紅のネイルを塗っていく

貴方の歯で剥がされる事を想像しながら。

ムーディーなジャズバー

ドアが開き響くベル音にその来訪を知る。

ワイングラスを傾け、微笑み合う。

貴方が私を見詰め、
私も貴方を見詰め、

その絡まる視線は、その後の情事をすでに予感させる。

ロックのバーボンが氷だけになって

そのグラスを
畳んだオシボリではなくコースターの上に置いた時が
合図

細いヒールの音は

店の階段から すでに車通りの少ない繁華街の舗道へと移る

そして 貴方の部屋の玄関でそれは止まる

塗り立ての端麗なネイルを

貴方が上目遣いで噛む

きっと

沸き立った体内の血は このネイルより紅い。

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