こつこつ節

2007年12月19日
お月さんでさえ

夜遊びなさる

サンヤリ ハア コツコツ

        (大分県民謡)



―水郷日田、かつての天領、清流三隅川、屋形船、ぼんぼり、かがり火、
 天上に煌めく月、三味線の調べ、お囃子、コツコツ節…


私は貴方と見詰め逢い。

でも、指と指は、一寸の間合いを保つ。

貴方のお聲、素敵。

貴方のお唄、上手。

貴方のお味、美味?

この一線を、何時越えようか。

美酒に、酔った振りをしてみせようか。

―― そっと指を伸ばせば、皆に隠れて爪先で触れ合えるわ

―― 少しで止めて、我慢。それが余計に、官能的だろう?

ゆらり ゆらり と 火は燃え、舟は揺れ

この火遊びに、思わずよろめきたくなる。

のらり くらり と 貴方はかわし、じらす。

女の勝手を、知り尽くした貴方が憎らしい。

言葉を控える私に、貴方は口から紡がせようとしている。

船は上から下へ流れてゆくだけ。

船べりを、コツコツと叩くじれったさ。

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