明暗

2008年8月8日
昨日、遅いランチをカフェで取っていて
モニターに映し出されている高校野球の試合の終盤に
眼が釘付けになった。
北海道のどこかの高校と、相手は愛知県だっただろうか。
どのバッターが映っても、どのピッチャーも、キャッチャーも、
応援席の球児も、服と帽子のせいか、
すべてあの彼に見えてしまった…重症。

     *

しかし、何か、ひとつの啓示のように思えた。
「そんな手段が何になろう?」と書いたにも関わらず、だ。

夢物語を夢のまま終わらせるには、あまりに惜しい。
チャンスは、甲子園大会が行われる夏しかないのだ。
今回を逃せば、1年後まで待たねばならない。
1年もブランクがあれば、大きな動きがあるかもしれない。
それは、私か、もしくは彼か。
人生を縛り付ける、大きな動き。

そう、今年の夏と来年の夏の間には、来年の春がある。
どちらにも曖昧のまま逃げたなら、一生後悔するだろう。

     *

10年という月日は、無駄には流れていなかったな、と
ニヒルに思う。
当時の私になかったスキル。
どう転んでも、うまく丸める自信がある。
すべては、仕事で培ってきた。
小手先の言い訳も、愛想笑いも、切り口上も、ハッタリも。
心にもないことも平気で言えるし、
心臓が飛び出しそうなぐらい緊張する言葉も、何気ないふりで余裕の笑みすら浮かべて言える。
そういうスキルが今の私にはあると、ふと思い出した。

     *

モニターには、
逆転ならず、眼を腕で大きくこすって整列する北海道の学生と
満面の笑顔で校歌を歌い上げる愛知の学生の、
明暗わかれたひとときが映し出されていた。


決めた。


来週、地元に帰ったとき、電話をかけるのだ。

     *

過去のイロゴトを順番に思い出し、
やってしまった後悔と、
思いとどめた後悔と、
どちらの数が多いか数えてみようとした。

数は、よくわからない・・・・けど、大きいのは、
やはり思いとどめたほうなのだ。

「やらずに後悔するより、やって後悔するほうがいい」という
陳腐なまでにありふれた言葉は、やはり、事実。

     *

昨夜、プロジェクト終了の打ち上げがあった。
同僚は、私の結婚がいつか楽しそうに問う。
私が過去に話したエピソードを引っ張り出して、
私の恋人がいかに私に尽くしているのかを
他の同僚に披露してくれる。
私は微笑んで頷くだけで、決して本心は口にしない。
傍目から見れば、私は順調に女の幸せの道を歩んでいるのだ。

     *

もう、眼に見える波乱は作らない。
私ひとりの中だけで起こればいい。
密かに燃えた火は、激しく燃え上がるのか、
いずれ沈静化するのか、わからない。
けれど、昔のように、このぐらいの傾きで惑乱して
現在進行の恋愛を振り捨ててしまうような
浅はかさも、若さも、もはやない。

     *

明暗は、来週決まる。

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