白昼夢

2008年9月9日
彼の夢を、自分の夢と勘違いする。

彼を抱くことは、夢を抱くような気にさせる。

すると、途端に私はかつての日々へ還っていくのだ。甘やかに…。

夜の闇は、理性を失わせ、本能が支配し、
私をとても主観的で利己的な人間にさせる。
あなたの何もかもを奪い尽くしたいとさえ熱望する。

しかし、
昼の光を浴びれば、あっけないぐらい冷静に、非常に客観的な人間に戻ってしまう。

仕事をしながら、休憩がてら窓の外を見て、ふと思った。

思い出は、背中か腰あたりに引っ掛けておくだけで十分なのだ。
そう、いつ落としたのか気づかないぐらいに。

大切そうに手で包み込んで、愛おしく撫でるものではない。
懐かしく思っても、恋しく思うものではない。

振り返るためにあり、前途に据えて追うものではない。

すでに得た過去に生きるのではなく、何があるか分からない未来へ向かって生きていかなければいけない。

・・・だから、彼も返してあげなければいけない。

こんな私のところにいるべき人間ではない。

引きずってはいけない。

今なら、まだ何もなかったかのように元の世界に戻られる。


昼間の私は、いつもそう思う。

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