そんな恋愛

2009年6月29日 エッセイ
誰にも知られず
本人にすら悟られず
墓場まで持っていく

そんな恋愛があったっていいじゃないか

歳を重ねるごとに
現実という泥に全身が浸かっていく

家を建ててしまえば
逃げ場がないと観念する

不満がなくても
愛情に包まれて
幸せであるにも関わらず
不安や後悔は消えることがない
貪欲な人間だから

別の人生について夢想する
30年近く生きてきても
まだ恋に恋ができるのだと識る

実際に触れてしまえば
言葉を紡いでしまえば
飽きてしまうこと
満たされないこと
そんなことも解っている

想いが成就すればいいことでないことも

現実の道では現実的に幸せになる

想像の世界ではあえて踏み出さない


貴方への気持ちは
二十歳の頃から
何度も溢れそうになっては
その都度、呑み込み続けてきた

何時、伝えられるだろう

私に恋人がいたり
貴方に恋人がいたり
私が他の人に想いを寄せたり
貴方は他の娘への想いを語ったり
すれ違いの切なさも今は懐かしく

生涯、告げないことで
ある意味、貴方への恋に決別する

生涯、告げないことで
ある意味、私の想いは成就する

だって、そうすれば恋は恋のまま
壊れることがない

そういう形の恋愛もある

私は、現実の片隅でそっと愛でる

そんな恋愛を

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年5月  >>
27282930123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

お気に入り日記の更新

この日記について

日記内を検索