ココロ4

2008年11月7日 エッセイ
泰治が【心】の中で真津子のことをどう思っていたとしても、
彼は品子の夫となる。

夫になるというのは、【体とその人生】を品子がすべて手に入れる
ということなのだ。

【心】などいずれどうにでもなる。

(林真理子『天鵞緎物語』/1994)
ここ数ヶ月、激重な恋愛に沈んでいたので、
しばらくは気軽に楽しもうと思っている私。
秋だから過ごしやすい季節だし…(関係ない)。

恋のような、恋でないような。遊びのような、真面目のような。
一線を踏み越えそうで、踏み越えない。
ゲームみたいな、軽くて、楽しくて、少しときめいて、何より、傷つかない。
そういう気軽な関係。

だけど正直、あまりにもこちらの意のまま動かせてしまう男性なので
面白みに欠けるのが、唯一の欠点かなぁ。。

こんなふうに、秋をやり過ごしている。
冬になったら、どうしているだろう、私は。

ゆれる

2008年10月27日 エッセイ
One-time,

I feel Nothing.

もう一人のほうがいいと思ったぐらいだった。

Two-time,

I felt Something wrong.

なんでこんなに優しいの?と思った。

Three-time,

What I feel?

間隔を開けず、連続で会うべきなのか…迷っている。
ふりむかないで お願いだから
今ね ないしょのお話なのよ
どうぞ むこうをむいてちょうだい
これから仲良くデイトなの
ふたりで語るの ロマンスを

ふりむかないで お願いだから
いつも 腕をくみ
前向いて きっとね
しあわせ つかまえましょう

(作詞:岩谷時子)

在りし日の雨

2008年10月15日 エッセイ
昔話はもういい。

追憶はもういらない。

私は、一刻も早く忘れたい。

携帯電話だって、抹消したし、

日々、いろいろな理由を考え並べては、

思い出さなかったことにしようと、努めているというのに。


そういうことが、泡になるような出現。


あなたの写真は、見尽くしていたはずだった。
まだ見返していない表情があった。
上目遣いのその瞳で、一体何を覗き込もうとしているの。


驚くべき、あなたの自宅。
周辺の家々の何倍もあるであろう、広い広い庭。
一体、あの大きな家で誰とどんなふうに暮らしているの。


そこで流れていたのは桑田圭佑の名曲
「萎えて女も意志をもて」

原由子ばりに歌うイリアの声が、哀愁を帯びて染みる。
歌謡曲みたいな恋愛だ。


奇しくも今夜は雨。

雨の日の匂いは、思い出したくないことまで思い出させる。

薄雲

2008年10月12日 エッセイ
物心のつきはじめる少年のころ、

その心に灼きつけられた女(ひと)の影は

一生の間、時には淡く遠退いたり、

思いがけず急に色濃く浮かび上がったりすることがある。


大方の人はその人と結ばれることはないのだが、

結ばれてしまった源氏にとって、(中略)計り知ることのできない程の憂いだっただろう。

程なく逝ってしまわれる。

弥生月の仄暖かい静かな夜、定かにも見えぬ辛夷(こぶし)の花は、

ほんのり幽かな香りを漂わせる。

やがて花は香りだけ残して闇の中に消え去ってしまう。


それは、もう手をさしのべて抱きしめることもできなくなった、

追憶でしかない香りでもある。


「入り日さす 峰にたなびく薄雲は もの思ふ袖に 色やまがへる」

(雲の色さえも薄墨色であった。喪服の袖の色と同じに。)



(『源氏・拾花春秋』桑原仙渓より「薄雲」/2002年)

ココロ3

2008年10月6日 エッセイ
振られるとわかるまで何秒かかっただろう

誰か話しかけても ぼくの眼は上の空 君に釘づけさ


浜辺の濡れた砂の上で 抱きあう幻を笑え

淋しい片想いだけが 今も淋しいこの胸を責めるよ


ふと眼があうたび せつない色の まぶたを伏せて頬は彼の肩の上


かたちのない優しさ それより見せかけの魅力を選んだ


誰より君を愛していた 【心】を知りながら捨てる

Oh! KAREN 振られたぼくより哀しい

そうさ哀しい女だね君は……


(大滝詠一「恋するカレン」/1981年)

幼稚園バス

2008年10月4日 エッセイ
窓際でランチを食べながら、ぼうっと外を眺めていると
幼稚園バスが通りぬけていった。

ふと、あの頃に戻りたいと思った。

無邪気だった頃。

庇護されるのが当然だった頃。

仕事も恋愛も何もなかった頃。

ただ、そこにいるだけで愛らしく、それだけで存在価値があり、

そして、目に見える世界だけがすべてだと思っていた頃。


世の中には、目に見えないもののほうがあまりに多く、あまりに重い。

あのバスの中の園児たちも、いつかそれを知る時が来るよ。

20数年後の私。

午睡

2008年10月1日 エッセイ
折れ曲がり 並んで眠る

彼の腕が背後から伸び 私の手の平を包んでいる

カーテンの隙間から風がそよいで 何と世界は平和なのだろう

しかしこれは悪事だ

うとうとと うたた寝の心地よさ

まどろんでいると 右の肩甲骨に彼の唇が寄せられ

思わず声を上げる

体は再び重ななり合う




夢は欲望の発露である

現実は夢を具現化する舞台である

欲望は夢となり 夢は現実との境目を失い すべての罪はひとつに

そして いずれは無に

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