こつこつ節

2007年12月19日
お月さんでさえ

夜遊びなさる

サンヤリ ハア コツコツ

        (大分県民謡)



―水郷日田、かつての天領、清流三隅川、屋形船、ぼんぼり、かがり火、
 天上に煌めく月、三味線の調べ、お囃子、コツコツ節…


私は貴方と見詰め逢い。

でも、指と指は、一寸の間合いを保つ。

貴方のお聲、素敵。

貴方のお唄、上手。

貴方のお味、美味?

この一線を、何時越えようか。

美酒に、酔った振りをしてみせようか。

―― そっと指を伸ばせば、皆に隠れて爪先で触れ合えるわ

―― 少しで止めて、我慢。それが余計に、官能的だろう?

ゆらり ゆらり と 火は燃え、舟は揺れ

この火遊びに、思わずよろめきたくなる。

のらり くらり と 貴方はかわし、じらす。

女の勝手を、知り尽くした貴方が憎らしい。

言葉を控える私に、貴方は口から紡がせようとしている。

船は上から下へ流れてゆくだけ。

船べりを、コツコツと叩くじれったさ。

鴎盟

2007年12月12日
南のほうの或る港町に滞在している

私の暮らす街より温かだと聞いて
軽装でやって来たら意外に寒く
現地の衣料品店であれこれ買い込む

百貨店やファッションビルはおろか
気の利いた服を置く店など皆無で
仕方なく 普段なら買わないような
安価で とても帰ってからは着られないような
服を買う それでもこの町で一番まともな店で

広がるのは海 そして海の幸を素材にした食堂
かつては観光客も大勢訪れたらしいが
今は寂れてしまった
そんな街

金髪に染めていきがっている高校生の髪型は
90年代前半のような古臭さで
ヘンなイントネーションで大声でがなる
この土地の訛りらしい
そんな街

大音量でガンガン音楽を鳴らしながら
車を停めて降りてきたミニスカの
お姉さんの足元は
ハローキティの豹柄サンダルスリッパ
そんな街

若干のカルチャーショック
…いや、かなり。

この町に住む人たちはこういう世界の中だけで
生きていくんだろうか 生きているんだろうな

テレビもなく コンポもない部屋に泊まり
Don’t disturbで居続ける(もちろんそんな札などないが)
車の流れる音もなく 喧騒もなく
無音の夜 誰もいない一人の部屋
持ってきたパソコンだけが世の中との繋がり

文字通り島流しのような日々

つい数日前までの
街のクリスマスイルミネーションに溢れる生活から
一転
仰いだ空に無数の星々が広がり満ちる生活へ

でも
オリオン座の真ん中の三つ並んだ星の
周囲にあんなに小さな星がたくさん密集しているなんて
初めて知った

「風光明媚」だけがとりえの、港町

昼時、展望台から見た海と空はあまりに美しく、息を呑む

港の人々は素朴で親切だ 玄関に鍵もかけず暮らす

白亜の灯台の岸壁には、荒波が打ち寄せては割れ砕け
その上を海鳥が何事もないかのように
すいすいと飛んでいく
風が吹きすさび ひゅぅひゅぅと泣くような音をたてる
師走の曇り空は、この島に相応しい寂しさを醸す

かつて様々な大作家がこの町を訪れたわけが
少しだけ解った

まぁ、悪くはない、か
と、一人ごちる

珍奇な年末 隠遁者の鴎盟生活

寂しい幸福

2007年11月27日
お絹ほど好きな女は、どこにも見当たらなかった。

もし事情が許せば、静かなこの町で隠逸な余生を楽しむ場合、

陽気でも陰気でもなく

意気でも野暮でもなく、

尚また、

若くも老けてもいない、

そして馬鹿でも高慢でもない代わりに、

そう悧巧でも愚図でもないような彼女と

同棲しうるときの寂しい幸福を

想像しないではいられなかった。

(徳田秋聲「挿話」より/大正14年)

冬の記憶

2007年11月23日
クスクス笑いながら スニーカーを上履きに履き替えて

長い影を延ばして 夜の学校に忍び込む

足音が響く静寂 昼の明るい世界とはまったく別の姿

真っ暗な教室

真っ暗な体育館

真っ暗な校庭

真っ暗な図書室 

こっそり手に入れた秘密の鍵で、夜しか見せない姿を覗く

カチッ コチッ…

時計の秒針の音 きしむ床板

嫌いな教師の机上に花瓶を移して忍び笑い

音楽室で そっとピアノの鍵盤に触れる

ポーン…!

驚くほど巨大に響いて、思わず顔を見合わせる

渡り廊下で追いかけっこ

冬の空気に白い息が吐き出されて広がる

校庭の鉄棒の下の砂場にしゃがみこんで

「ここが砂浜だとしたら、広い校庭は海だよね」と想像ゲーム

手のひらを左右に動かし、体育座りした足もとの砂で遊びなら
とりとめのないお喋り

手と手が 不意に触れ、

沈黙

それから、ゆっくり、顔が近づいた。

月が顔を正面から照らし、
彼のまつ毛の長さを初めて知った。

時間が止まったように思えたけど

長かったのか 短かったのか ただ動悸しか覚えていないけれど

顔を離して 照れ隠しに空を見上げたら

天高く 満月がオレンジ色に淡く灯っていた

15の冬の密やかな遊び 

年末で転校してしまう人の最初で最後の誘い

親には内緒で抜け出して過ごした夜

唇の感触だけ残して彼は消えた



今。
厚手のコートと手袋がなければ朝の出勤と深夜の帰宅が辛いほど、急に冷え込んできた最近の温度に、ようやく本格的な冬の到来を感じ、頬をよぎる外気の冷たさに、あの夜の記憶は鮮やかに蘇る。

あの砂場で語った
約束のショパンを弾いて聞かせることはできなかった

失って知る かけがえのない時間

二度と戻らない 時間も年齢も彼も私も

あの夜の空間すら、この秋改築されて

永遠に消えた

その女、生身ゆえ

2007年11月21日
最近、頭の中で突然音楽が流れ出す。
脳の中にコンポが構築されたかなー…
とボケてみたくなるほど、リアルに奏でる。

昔読んだSPITZのボーカル草野マサムネのインタビューで、
「学生時代、体育の授業で走るのがイヤだったけど、
 頭の中でイントロからアウトロまで曲が完全な状態で
 再生されるから、それを頭の中でガンガン聴きながら
 走っているうちに、いつの間にかゴールできた」
と言っていたが、まさにそんな感じ。

その上、流れるのが、最近聴いている音楽ではなく
高校や大学の頃に愛聴していた【J-POP】だから、
我ながら面白い。

【J-POP】という存在自体が「若気の至り」で、
「あんな音楽を夢中で聴いていたのか」と思うだけで恥ずかしくなるが、
そんな当時の音楽と共に、
「若気の至り」という言葉を具現化したような当時の自分と、
ヤバイことから初々しいことまでの「若気の至り」的行動を
痛いぐらい思い起こして、自分の脳の中だけのことなのに
非常に恥ずかしくなる。

小さな色恋沙汰なんて、
出来事の詳細も、相手の名前も、すっかり忘れているのに、
こうした瞬間にふっとフラッシュバックでよみがえるわけ。

思い出しても、その曲が鳴り終わる頃には、
もうその内容も再び忘れてしまうのだけど、

その曲の間だけは、
【もし、その人と私の「今」があったら…】と
ありえないことを想像してしまう。

言うまでもなく、人生には過去にも未来にも
道は1本しかないわけだけど、
複数の可能性が「あった」もしくは「ある」と思うだけで
人間は
夢を持って生きていけるのだろう。
と、ふと思う。

こうやって、ニヤニヤしているだけで
人間って楽しく生きていける脳天気な動物なんだ。

日常の小さな恋だって、同じこと。
生活の一部としての愛は、すでに自分の身の一部となってしまっていて、
今さら切り離す気もないけれど、
それでも、多少の刺激を求めるのは、
きっと、新鮮に生きていくためなのだ。
人間はナマモノだから、いつも同じ状態では、鬱血して壊死する。

妻子あるオジサンが若い部下と浮気するけど絶対に離婚しないのは、これと同じことなのだろう。
と、世の不倫男をはからずも正当化。私は女なのにね…。

まぁいいけど。
つまり、
キャリアを順当に積んでいくと、仕事での刺激がなくなるので、
過去の色恋沙汰を引っ張り出したり、
現在の色恋沙汰を始めようとしたり、
するのだろう。
そういうことなんだろう。

血が通い、肉が張り付く生身ゆえ。

流離 夢十夜

2007年11月18日
夜は人を、哀しくさせる。

秒針の音

時折、表を過ぎゆく車の音

隣の部屋から寝息

以外、無音

静寂が襲い

昼間の圧力を突如思い起こさせる

催促 締切 謝罪

さしずめ「クワイエットルームにようこそ」の世界か

身に覚えのない咎めを嗤う

生活の為の切り売りを重ね

勝手に作られた望まざるシステムに沈み

擦り切れる

思うままに生き 思うままに死ぬ夢

消耗品 代替品 使い捨て が 街に溢れる人ごみ

「寿命が切れたので電球を替えよう」

…明ければ何事もなかったかのように 微笑

偶然逢った笑顔に癒されて、次の偶然を期待

向けた笑顔に視線をずらして下を向く顔が可愛いと思う

恋でもない 愛でもない 遊びでもない トモダチでもない
そういう関係
なれると思う?

現実からは逃避せず 夜のみに夢を重ねて 重ねて
それを十回繰り返す

そうして流離えば 真実に溶け合える

秋果つる

2007年11月6日
秋はつる 野辺のけしきも しのすすき
 ほのめく風に つけてこそ知れ

(秋の果てた野辺の様子も
 ほのかな風に揺れる篠芒の動きで知れるように
 わたしに飽きたあなたの心も
 そぶりでわかっています)

瀬戸内寂聴 訳『源氏物語 巻九』より第四九帖「宿木」
中の君から匂宮への返歌

穂にいでぬ

2007年11月3日
穂にいでぬ もの思ふらし しのすすき
 招くたもとの 露しげくして

(顔には出さない 篠芒の胸の恋心の
 さも切なそうに露にしおたれた
 袂で招く芒のように
 誘う手紙がしげしげと)

瀬戸内寂聴 訳『源氏物語 巻九』より第四九帖「宿木」
匂宮から中の君へ贈った歌

再会

2007年10月27日
7月頃にこの日記にも書いた大学時代の友人と
先日、5年ぶりに会った。
あぁ、恋愛も何もなく好意的な時間を過ごせる関係はやっぱりいい。と改めて感じた私。

なのに、その時は、日記にも書いたこと(長年付き合っている彼氏がいる女の子を好きになってしまったこと)をすっかり忘れていて、最近になって、思い出した。
気が利かない私…
再来月にまた会うことになりそうなので、その時は聞いてみよう。

しきりに、「ときめきたい」と言っていた彼。
即物的な男子が周囲に多いので、こういう友人は大切にしたいと、心から思う。

偶然にも、彼も最近ピアフのCDを聴いているという。

話は変わって、ハムvs中日。
今、放送中。
私はまったく興味がないが、恋人が野球好きなので。
(野球というか、スポーツ全般が好き。私とは趣味が対極。)

時折、サエコの1shotからズームアウトでダルビッシュのカットに切り替わるのが、すごくやらしい。

できない

2007年10月24日
笑顔で最高っていえるか?
むだな美学も売り渡した
適度にフリーな奴隷が
俺だよ お前だってそう

道化だろうが
捨てたら大変だ
もうないよ
どうしたらいいんだ
捨てたら完全な死だ

まだこの界隈はうだうだ
いまだ無邪気な無神経だ
1,2の3でプライド捨てた
もう なんだっていい

できない
できない
できない
できない

(words by 坂本慎太郎/2007ゆらゆら帝国)

日々に流れる

2007年10月21日
●今日、某人気パティスリーから発売前のクリスマスケーキを
いただいたので食べた。
しかもホールで。

イチゴのレアチーズケーキ。
上にホワイトチョコがガツッと乗ったベタなケーキだった。
カロリー高そう。

しかし、
最近ようやく冷え込んできて秋らしい天候になったというのに、
世間的にはハロウィンイベント開催中だというのに、
私的にはもうクリスマス終了…。

---

●今週、23歳のモデルの女の子と接する機会があって、
いろいろ喋っていたのだが、その娘がとにかくぶっ飛んだ娘で
かなり笑わせていただいた。

とにかく、発言が突拍子もない。
しかも、初対面の人々の前でも臆面ない発言・
赤裸々な発言・意味不明な発言等々連発。

私にも、唐突に、
「NHKのアニメに出てくるウサギの声に似てますね!」

アニメ?

ウサギ?

…???

彼女の父親は昼の仕事ではなく、
彼女の母親は日本人ではないとのことで、
特殊な環境で育つとこんな娘になるのだろうか。
いや、関係ないだろう。

とにかく圧倒された。

---

●最近、また仕事がとてつもなくハード。
毎日23時以降の退社。土曜も仕事。日曜も仕事。休みなし。

ときめきかけた恋も、それどころじゃなくなってしまった。

…仕事が忙しくなるとやる気のなくなる恋。

その程度の気持ちか。と、我ながら苦笑。

アクセサリーみたいなものね。

日々のアクセサリー。気持ちに余裕があるときだけつける。

---

●先月は、試写会やら何やらでいろいろ映画を観たけれど、
今月は「エディット・ピアフ」1本だけ。

しかしすごく良かった。

月極姫

2007年9月28日
さようなら飽きる前にさあ
飽きられる前に
笑いなさい、悔やまないわ
満ち足りただけさ

理由のない拍手、や・め・て
五月蝿いわお願い放っといて
安い文句一束いくらするの?
要らないわ手前勝手でしょ!
     “月には懐くもの”

さようなら恨む前にさあ
恨まれる前に
忘れない、構わないわ
極められただけさ

(2007/東京事変、words by椎名林檎)

NEVER GET OLD

2007年9月25日
Better take care

そろそろ引き際だ 部屋を借りて 自分を大事にしたほうが良さそうだ

何度も何度も

このことを考え また自分の過去を振り返る



Better take care

月が地の果てまで浮かび続けるのは君がいるから

何度も 何度も

光の時代を僕は悟り 君の為にそこで生き続ける

自分を大事にしたほうがいい

未来を見据え 岩のように揺るぎない 君がいるから

何度も何度も

俺はここにいたい そこにもいたい 君のように生き 俺らしく生きる

永遠に

手袋をはめ 自分の骨を沼地に埋める

永遠に

自分の魂のことを想い

澄んだ清らかな空気に響く鐘の音さえあれば他は何も要らない

今俺は人生の街道を駆け抜けている

決して君を死なせはしない

俺は決して歳をとらない

そう 俺は決して…



(2003/DAVID BOWIE)

2007年9月11日
夕刻、虹が出ていた。
雨上がりの虹。

週末、二人でアイディアを出して、彼がまとめた書類。
今日が会議で、彼が事前に私に見せに来た。
データ内容について指さして質問をすると、
彼も指をさして返答し、
その瞬間、指が触れた。

ありがちながら、ときめいてしまった。

彼の端正な指。
もっと触れたい、と欲望が芽を出す。

「好きな人にさわりたい」っていうのは、
とっても純粋な情熱じゃない?

愛に変われば欲望もなくなるが、
恋のうちは欲望で満たされているということを、
身を持って知った私は、これは恋なのだ、と改めて確認する。
-Fill with desire

夕刻、虹が出ていた。
オフィスとオフィスの間に覗く虹は、サーモンピンクの空に
七色の光を走らせて。

虹を見ると、一瞬、思いがけない幸運を掴んだ気がする。
小さな幸福を見つけた気分になれるのだ、誰もが。
- I’m lucky beggar

封印を解く

2007年9月8日
この数ヶ月、目を逸らし、口も聞かず
存在を打ち消してきた。
親しげな笑みも、すべて拒絶した。

こうやって
嫌いに、なろうと
努力した。

仕事の成り行きで、薄暗い空間に二人並んで座ることに。
そう、計らずも、
まるでデートのように、平日の夜の映画館で外国映画を。

コメディーだったけれど、ずっと、
あたしは息を呑んでた。
あたしの腕のすぐ横に、彼の腕が置かれている。
その、あまりの近さに。
思わず、掌を重ねそうで。

翌日は、
以前のように
そう、昨年のように、
顔を寄せ合って、アイディアを出しあって、
仕事の企画を1つ練り上げた。

私の協力によって、彼にとって面倒だったジョブを
予定よりも早く終えさせることができたので、彼は
「助かった〜。休日出勤しないといけないと思ってたから」
と言って、あたしの顔を見た。

「ありがとう。モモコさんのおかげ。」
面と向かって紡がれた感謝の言葉、そして笑顔。

あたしも、思わず笑顔。

そして、肺が潰れそうなほど、心臓が飛び出しそうなほどの…
痛み。
この感情は。



恋の感情はもう忘れたと、
恋やら愛やらに悩まされる時代はもう終わったと、
情欲も消え去ったと、
言い続けたこの数ヶ月。
思い込もうとしたこの数ヶ月。

そう、自分自身を騙すために。

「次に同じ気持ちになったら、もうおしまい」だと
分かっていたから…。

ああ。
でも。
もうこれ以上、抑え切れない。
もうこれ以上、欺けない。

胸が苦しいんだ

言ってしまいそう

やっぱり、あなたが好き、って。

嫌いなフリしてたけど、
本当は、好きで好きで、たまらなくて、
みんな私のこと大人っていうけど、
こんな子どもみたいなことしてたの。

って。

海へ行きたい

2007年9月6日
海へ行きたい 貴方と

眠りにつくまでの間
脳の中に湧き上がる景色は
いつも海
そして貴方

例えば

昨夜は
バリの海 あたしは椰子の幹にもたれて
陽光を浴びて浜辺を歩き回る貴方を
パステルと水彩絵の具でスケッチしていた

一昨日は
三保の松原で あたしたちは靴を脱いで駆けて
夜風を受けながら はしゃいで もつれて 崩れて
砂の上に寝転んで ふたり月を見上げていた

さらにその前の晩は
沖縄の とある島 海が見える白い家で
あたしは 一日中 貴方の寝顔を見守っている
開け放した窓から入ってくる 涼しい風が
貴方の前髪を揺らすのを飽きず眺めていた

場所を変え 昼夜を自由に
海は あたしの前に現われる

海へ行きたい

貴方と 海へ行きたい

現実は あんなに冷たい仕打ちをしているというのに
眠りの前のほんのひとときだけ素直になっている

そんなこと 貴方知らないよね

蜂蜜味

2007年9月4日
体から蜂蜜の匂いがすると思ったら、
今夜は蜂蜜風呂に入浴したのだった。

今 味見したら、甘い甘い
ハニーテイストなのにね、あなた。

罪深い人

2007年9月1日
酩酊の奈落に落ち

体を重ねながら、

ああ、これがあの人なら、

と想い、まんじりと宙を見つめる。

裏腹、きちんと体は作用する。

なんて不埒で、

なんて罪深い

この神経

昔は良かった

2007年8月30日
「人間にとって幸福は自由な時間そのものであり、
その時間を与えてくれた文明の発達を否定することはできない。

『昔は良かった』と今のあり方を否定するのは意味が
ないのではないか。

人間が生きていくということは選択することであり、
何かを拾えば必ず捨てなければならないものがある。

その取捨選択がほんとうに正しいか間違いかは、
誰にも決められないのではないか。」

泉秀樹「街道の風土記考」より

The answer is ...

2007年8月28日
「しかし、彼が賢くも指摘したとおり、
現在の私が、あの当時の自分より幸福であるかと尋ねられたら、
おそらく私はこの答えに窮することだろう。

といって、いまの私を、あの当時に返してやろうという
魔術師があったら、むろん私は、尻尾を巻いて
逃げ出すにちがいないのだが。」

横溝正史 1929.2『新青年』誌に発表の短篇より

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